次鋒ミサワとの試合が始まった。

いきなりミサワは顔面にエルボーを食らわせてきた。
俺は、思わず倒れてしまった。
顔面エルボーはPRIDEルールでは反則だ。だが、レフェリーもアルカイダとグルなのだろう。イエローカードも出す気配もなく試合を続行させる。
それからは一進一退の攻防が続いた。
俺が三角締めを仕掛ければ、ミサワはランニングエルボーを、今度は俺が得意の左ハイを繰り出せば、伝家の宝刀エメラルドフロージョンを決めるミサワ。
しかし、最後は一瞬の隙を突いてヒクソン叔父さんの必殺技「テイクダウン→マウントパンチ→腕十字」でミサワからタップを奪った。
ミサワは俺の耳元でこう呟いて息を引き取った。

「ノア・・だけは・・・ガチ」

ありがとうミサワさん。あなたは最高の挑戦者だった。
そう心の中で呟くと、自分の片目の視界が無くなっているのに気付いた。
ミサワさんの顔面エルボーが予想以上に効いていたのだ。
ドクターチェックが入る。
「俺はまだやれる。いや、やらせろ!」

数分間の協議の結果…ドクターストップが決定した。
アルカイダの中堅は既にリング上でスタンバっている。誠グレイシーチームの次鋒、フェリ女A子はというと、俺とミサワさんとの死闘を観ながら下半身のダムが決壊してしまっていた。
掃除のおばさん達がモップでA子の周りを拭いている。かなりのマン臭だ。
誰が見ても、誰が臭いを嗅いでもA子に試合は無理だ。

「ハハハハハ、誠グレイシーよ。オマエの負けだ。だってメンバーがもういないのだからなハハハハハ…」

「…いや、負けちゃいない。統括本部長、試合前に渡したメンバー表を太陽にかざしてみてくれ!」

周りから“タカダ”と呼ばれる臆病そうな小男が、太陽に向かってメンバー表を高く掲げた。
先鋒と次鋒以外に書かれてなかった誠グレイシー軍メンバーの名前が次々と浮かび上がってくる。



中堅…ナグ


副将…ワッシー


大将…キャプテン

「待たせたな!」
オーロラビジョンに3人の姿が映し出される。
俺は震災にあった仲間がきっと来てくれるだろうと信じ、フェリ女のマン汁で3人の名前を書いていたのだ!!

次回へ続く
俺は無言で頷き、無謀とも言えるアルカイダと誠グレイシー軍との5vs5マッチを引き受けた。

マン汁が決壊した3人に闘いは無理だ。俺が5人抜きすればいいことだ。とりあえず決壊してない1人も加えておこう。
メンバー表はこう提出した。

先鋒…誠グレイシー
次鋒…フェリ女A子
中堅…
副将…
大将…

「オマエ達は2人で闘うのか?」
「見ればわかるだろ!あのフェリ女3人は俺の性の虜なって闘いどころじゃない!」
ルールは10分5分5分の3Rマストシステム、体重の軽い方が4点ポジション膝有り選択というルールが採用された。
アルカイダはこれを“PRIDEルール”としきりに呼んでいたが何のことかさっぱりわからない。
勝手に言わせておけばいい。
巻き舌の白人女が俺をコールする。
「先鋒。マコト・グルルルレイシー!!」
どこから集まったのか、リングの周りには大勢の観客で埋め尽くされている。
さあ、時は来た。
開始のゴングが鳴らされた。

俺はリングの真ん中で悠然と構える。
アルカイダの先鋒が不用意に俺に近付いてきたその時だった。
スパーン!
俺の左ハイキックがアルカイダのコメカミにヒットした。
崩れ落ちるアルカイダ。
「ストップ、ストップ!」
レフェリーが慌てて試合を止める。
会心の勝利だ。
アルカイダの先鋒は何が起こったかわからず、起き上がった後もニヤニヤしながらセコンドに自分がどうなったのか聞いていた。
何がキングオブスポーツだ。
こいつならロシアの薄ら禿げにも、頭を抱えながら亀みたいな惨めな姿で負けちまうだろう。

さあ、次はアルカイダの次鋒だ。
“スパルタンX”のテーマで颯爽と入場してくる。
さっきの奴とは比べ物にならない程の威圧感だ。
観客は総立ちで「ミサワ!」と叫んでいる。
“ミサワ”と呼ばれるその男はにやりと笑うと握手を求めた。
「なんて、気持ちのいい男だろう」
俺はなんとも言えない不思議な幸福感のまま開始のゴングを聞いた。

いきなりミサワは顔面にエルボーを食らわせてきた。
俺は、思わず倒れてしまった・・・

次回へ続く
ついにフェリ女3人の下半身に溜まっていた天然ダムが決壊した。
限界を悟り脱出を決意した。
腐ったチーズ臭が漂う中脱出方法を考える。
そんな中でもダムが決壊した3人は恍惚の表情を浮かべ俺の肉棒をせがんでくる。

そういえばこの前天皇陛下に接見した際こんなことがあった。
「私、誠グレイシーのお役目は日本中の全小中高等学校に君が代斉唱、日の丸掲揚を徹底させることです」
と言ったら陛下はこうおっしゃられた。
「普段すました顔してる女に限って、一皮剥けば…イヒヒヒヒ」

会話としては全く成立していなかったが、今に思えば陛下はこの地震を予言してらっしゃったのだ。
唯一決壊していないフェリ女も必死にすました顔を装いながらも、正座している太股の間にしかっりと汁が溜まっている。
「陛下、昔は美智子様も一皮剥けば・・・」
そう呟くや否や、アルカイダが怒鳴り込んできた。
「ここから逃げやがる気だな!」
俺は流暢な英語でこう返す、
「もうこのフェリ女達は限界だ。人質は俺だけで十分だろ!」
「そうはいかない。どうしてもシャバに戻りたきゃオマエ達5人と我らアルカイダ5人の勝ち抜き戦で勝負しろ。オマエ達が勝てば逃がしてやろう」

もう、奴らに何を言っても無駄だ。
俺は無言で頷き、無謀とも言えるアルカイダと誠グレイシー軍との5vs5マッチを引き受けた。

次回へ続く
俺は仲間達の身代わりにアルカイダの秘密基地へと連行された。

後ろ手に縛られたまま真っ暗な部屋へぶち込まれた。
暗闇に目が慣れてきて部屋を見渡すと若い女性4人が怯えて座っている。
「お嬢さん達どうなさったんですか?」
「3日前、テニスをしている最中に突然黒覆面の人たちに…」
よく見ると彼女達はテニスウェアのままだ。胸には“フェリス女学院テニスサークル”と書いてある。
「フェリ女の皆さん、僕がいるからもう安心です。何とかしてここから逃げましょう。とりあえず、僕の手の縄をほどいて下さい」
そう言うや否や、フェリ女4人が我先にと一斉に俺に飛びついてくる。
「おいおい、落ち着いてくれよ。フェリ女のお嬢さん達☆」
そして、おとなしく数日間アルカイダの様子を見ることにした。

時間が経つに連れ彼女達の怯えた目はすっかり消え、女の目になっていった。
都会のヤワな男に無い俺の粗野な部分に惹かれたのだろう。
地震の揺れもひどいが、彼女達の心や肉体の揺れも日増しに強くなっている。(フェリ女地震・・・震度7。震源・・・誠グレイシー)
俺に対する想いからだろう、川口の道路以上に乳首は隆起し、下半身に至っては山古志以上の天然ダムが決壊寸前。
「このままじゃ、俺を取り合う為に仲間割れが起きちまう。マコノミー症候群か・・・」
などと、考えてるうちにフェリ女3人の下半身の天然ダムがほぼ同時に決壊した。
辺りに漂う腐ったチーズのような異臭。
「もう限界だ」
脱出を決意した・・・

次回へ続く
道路に出てグラウンドに向かい、あと少しでグラウンドというところで・・・

黒覆面で顔を覆った謎の軍団が行く手を阻んでいるではないか!手にはライフル銃を持っている。
「△*◆#★※〆□」
何か言っているが、英語や仏語に堪能な俺でも理解できない。
別の男が出てきてゆっくりと喋った。
「Are you Japanese?」
かなり訛りの強い英語だ。どこかで聞いた覚えがある。どこでだろう?
そうだ、俺が海兵隊員として湾岸戦争に行ってた時に聞いた感じにそっくりだ!
アラビア語訛り…黒頭巾…よく見れば腕にはアラーの神を称えるタトゥー…
アルカイダだ。間違いない。
この地震に乗じてテロをしにやってきたに違いない。俺達を人質に捕ろうと思ってるのだろう。
小さい子供も居るので、普段は“瞬間湯沸かし器”の異名を取る俺も、ここはじっと我慢。アルカイダと話し合おう。
英語の話せる男が、俺も英語を喋れるとわかったみたいで強い口調で命令してくる。
要約すると…
「お前達を人質にしてイラクからの自衛隊の撤退を要求する。これから我々の秘密基地に連行する」

子供達がいる家族や、大切な仲間のキャプテン、ワッシー、ナグを奴らに渡す訳には行かない。
「俺だけを連れていけ。そして気が済むまで煮るなり焼くなりするがいい」
と、流暢な英語で答えてやった。
俺の男気に驚くアルカイダの野郎達。
「わ、わかった。お前だけを連れて行く。あとの者は解放だ」
英語のやりとりを理解できない仲間と家族に説明する。
みんな涙を流しながら
「誠グレイシー様ありがとうございます」
ひれ伏して感謝する。
「当然の事をしたまでさ。でもこれだけは守ってくれ。俺が自分の命と引き換えに君らを開放させたことを誰にも言うな。男気(漢気)を見せたことも。さりげなく勇気を振り絞ったことも。誠グレイシーがこんな奥ゆかしい素晴らしい人だなんて秘密にしておいてくれ。俺のことは心配すんな、これも運命さ」
と、俺はみんなに振り向きもせず後ろ手に縛られてアルカイダの秘密基地へと連行されたのだった・・・

次回へ続く
それぞれ一番大事だと思った物を手に外へ。
そしてまず他の棟の安否の確認。「大丈夫ですかー」との問いかけに「大丈夫でーす」との声が2方向から聞こえる。
畑田(仮名)さん一家(30代後半夫婦、小3と小1の男の子)と佐藤(仮名)さん一家(30代半ば夫婦、小さい子供3人)。
2家族とも幸い大したケガはなかったが、地震の縦揺れで1m飛ばされた佐藤さんパパは少し手のひらに擦り傷。
っつーか、地震て人をぶっ飛ばすのか!?
子供達はケガは全く無かったが畑田さん家の男の子が「僕たち死んじゃうの〜!?」
と半泣きで聞いてきた。
「大丈夫、大丈夫」と言ってはみたものの、ヤバいよな〜と思っていたら…グラグラとまた大きい揺れが来やがった。
ロッジの周りにの樹がいつ倒れてくるか心配で「早く道路に出よう」と焦る俺。
キャプテンやお父さん達は樹は根が張っているから比較的安全と冷静な意見を言うが、今の俺にとって樹なんて政治家以上に信用できない。
だけど怖がっている子供達の手前、やたらと怖がれない。
すると、遅れて来る予定の嫁グレから電話が入る。嫁グレとAカッパーズは見附のプラント5駐車場で地震にあったらしい。そして、震源地で小千谷震度6。
・・・すぐ隣じゃん、ここ川口の。
とりあえず、嫁グレ達の無事を確認して安心。
揺れがひとまず収まり、道路に出て歩いて5分程のグラウンドに避難することに。
仲間3人と居るだけでも心強いのに、この家族達が居てくれてさらに心強さが増した。でも怖い。
道路に出てグラウンドに向かい、あと少しでグラウンドというところで・・・

次回に続く
〜俺らが先に行ってたから 10月23日は地震記念日〜

去年に引き続き今年もキャンパス川口コテージ村に総勢14人くらいの予定で1泊旅行を決行☆
悲劇の始まりだとも知らずにね♪

10月23日(土)
16:30
俺、キャプテン、ナグ、ワッシー、4人の先発部隊が川口のコテージに到着。残り10人を待つ。
荷物を下ろしひと段落し、ビールで乾杯!
TV観たり、キャプテンの用意した風船で犬を作る。
17:15
俺オリジナルの風船、尻尾の部分も頭になっている“ベトちゃんドクちゃん犬”を創作するも失敗に終わり、一人で散歩。グラウンド〜ホテルに行ったが寒い&暗くなってきた&元々散歩の趣味がないのを想い出して引き返す。
17:45
帰ってくるとキャプテンが夕飯の下拵え。俺は後発部隊のみんなにメールを送ったり、寝転がったりしてまったり過ごす。
18:00
嫁グレ with Aカッパーズに「お菓子を買ってきて」とメールを打つや否や突然“ドスン”と大きな音とともに大きな縦揺れ&横揺れ&停電。
「嗚呼、昨日嫁グレが危ないかもと言っていた土砂崩れか…」
と思ったが、なかなか土砂は入って来ず。
すると、2度目の揺れ。やっと地震と気付き「死んじまうのかな〜」と心の中で密か
に思うが声を掛け合いお互いのケガが無い事を確認しチョット安心。TVは落ち、茶ダンス&冷蔵庫&サッシ等が倒れ、コップなんかも割れカオス状態。座っていた場所が悪ければ間違いなくケガ、運が悪けりゃ死んでいた?かも。4人でよかった。
広くない部屋にそれ以上居たら誰かはTVや冷蔵庫の下敷き、茶ダンスのガラスの餌食になっていたはず。
よくよく考えると・・・

♪想像してごらん 散歩から帰ってくる時間がもう少し遅ければ俺は1人ぽっちのまま地震に遭遇してたことを
♪想像してごらん 散歩で疲れたからといってあのまま寝転がったままだったら倒れた茶ダンスにヘッドバットを喰らっていたことを

揺れが収まり倒壊を恐れ、とりあえず上着を手に取り速攻で外へ。キャプテンはランプ。ワッシーが手にしていた物は…徹夜で作ったというCD。

次回に続く

愛國心

2004年8月26日 スポーツ
俺も人の子だ。
なんだかんだ文句をつけてはいるがやっぱりオリンピックが気になっちまう。日本を応援してしまう。
あんなの、スポーツの名を借りた戦争でしかないのに。
オリンピック(W杯や世界選手権とかも)を見て自国民を応援しない奴は、戦争が起きても冷静な判断ができる立派な奴だと思う。
逆に言えば、国代表の玉蹴り(サッカー)や玉打ち(野球)なんかのお遊び(スポーツ)ごときで一喜一憂してしまうバカ(俺も悔しいけど、その仲間だ・・・)は戦争にでもなれば平気な顔して人を殺してしまうのだろう。
“祖国への愛情”とか“民族意識”とか、本当にくだらない。

今年の3月、とある居酒屋での出来事。
玉蹴りのオリンピア戦争(アテネ五輪)アジア予選。大日本帝国vs石油しかない国(バーレーン)戦。
0−0の均衡を試合終了間際、油(バーレーン)がゴ〜〜〜〜〜ル!
すかさず俺ががウケ狙いで、「バーレーン」コール。
すると、どこかの席にいた愛国者ども(20歳前後か?)「オマエそれでも日本男児か!!!」
何の疑問もなく、日本人なら日本を応援するのが当たり前だと思うその心。
・・・白痴。馬鹿。阿保。マヌケ。足らず。早漏。短小。包茎。

要するに俺が言いたかったのは、“シンクロで金メダルを獲れなかったのは立花の顔で減点されたからだ!!”ってこと。

すず

2004年8月22日 スポーツ
バタフライで銀メダルを獲得した山本が、妻の千葉すずに喜びの一報を入れた。

山本「すずちゃんやったよ!俺とうとう銀メダル獲っちゃったよ!!!」

すず「このメダル気違い!!!!!!!」

五輪

2004年8月20日 エッセイ
シドニーからアテネの4年間、本当に色々なことがあった。

YAWARAちゃんと谷の結婚。
田村亮子と谷の結婚。
谷亮子と谷の結婚。
奥眼と奥眼の結婚。(こいつら2人とも宜保愛子に代表される目暗顔)

で、今回のアテネオリンピック。
金メダルを獲って満面の笑みを浮かべるミセス谷。
優勝候補のキューバを破って城島とハイタッチを交わすミスター谷。
2人を見ているとこれはオリンピックではなくてパラリンピックだと錯覚してしまうのは俺だけか?
勿論、2人とも盲目者の部。

コーチの声だけを頼りに袖釣り込み腰を仕掛けるミセス谷。
鈴の入ったボールを懸命に追いかけるミスター谷。

池田満寿夫がエーゲ海に捧げたかったのはチチョリーナじゃなく谷亮子の裸だったのだろうか・・・